マニラ日本人学校インタビュー

正式名称は「在フィリピン日本国大使館附属マニラ日本人学校」。「自ら学び、やさしく、賢く、逞しく、 国際性豊かな子どもを育成する」という学校教育目標ですが、近隣に、米国系インターや、 英国系インターのある文京地区に位置し、閑静で治安に優れた場所で、子どもたちは、年間通して降り注ぐ熱帯の陽光のもと、 明るく元気に、かつ楽しい充実した学校生活を過ごしている様子。ひじょうに恵まれた環境で、ほんのわずかの訪問でしたが、 教育目標がたんなるお題目ではなく、知育・徳育・体育とも、確実に実践されている印象を強く受けました。

マニラ日本人学校東南アジアの日本人学校の中でも、総数400名強というけっして多い生徒数ではありません。しかしながら、 学校施設も充実しており、国外にいても、日本の年中行事への関心を高める取組みとして、 わたしたちが訪問したこの時期は、時節柄「ひな祭り」が校舎の一角に飾られ、 先生がたの熱心な取組みの一端を垣間見ることができました。

熱帯の土地柄、水泳の得意な子どもも多く、いわゆる「かなづち」率0%!!気候と、校舎が全体的に開放的な空間設計になっていることが相まって、 そこにいるだけで、のびのびとした学校生活の様子を実感できました。さらに、 すれ違う生徒・児童1人ひとりが、明るく元気に挨拶してくれた様子からも、 日ごろの教育のあり方を肌で感じることができる訪問でした。

※右は、創立40周年記念写真(学校よりご提供)

沿革などの詳細は、学校のURLhttp://www.mjs.org.ph/をご覧ください。

今回、突然の訪問にもかかわらず、快くインタビューに応じてくださったのは、阿部 浩之教頭先生です。
マニラ出身で、現在は現地で会社を経営する中川功(こう)さんに、 マニラ日本人学校卒業生として、インタビューに参加していただきました。

訪問日:2009年2月26日(木)

*阿部教頭 先生      *中川功さん     インタビュアー:須藤


       

先生がたにとってフィリピンのイメージは?

*中川さん: 一般的にフィリピンのイメージってよくないと思うんですけど、先生がたのみなさん(赴任が決まったときには) やっぱり、身構えるというか、どうなんですか。
*阿部教頭: それはもうやっぱりそうですね。
*中川さん: でも住んでみると、「住めば都」か、拍子抜けするくらいだと思うんですけど。
*阿部教頭: おっしゃるとおりですね。よくここに来る駐在員も含めて、「3回泣く」といわれますね。「最初はフィリピン赴任が決まったときになんでこんなところなんだって泣く」 「来てみたら、なんだこんないいところなんだって感激して泣く」「最後は帰りたくないって泣く」(笑)。 よく言われますけれども、なるほどなと思いますね。
*中川さん: 最初のイメージがあまりにも悪いからでしょうね。
*阿部教頭: マニラ日本人学校外務省の方ともたまに話すことがあるんですけれども、「してはいけないこと」「行ってはいけないところ」をきちんと押さえておけば、まずもって心配のない国だと。よく日本人が被害にあったと言っていますけれども、起こるべくして起こったなと、行ってはいけないところに行ったなと思いますし。 ほんとにここは最低限の用心をしておけば、心配ないと。いい国だと思いますよ。

       

先生の任期について

須藤: 先生がたは、平均何年くらいいらっしゃいますか?
*阿部教頭: 基本的には、文部科学省が言っているとおり、2年で、プラス延長で1年。だいたい3年というのがめどですね。中には2年、 4年ということもありますが、概ね3年すれば、代わっていくという。
須藤: 先生がたは希望をいえるんですか?
*阿部教頭: それはないと思いますね。文部科学省が決めるということで。どこでも行きますと、面接のときにはいうんです(笑)。
須藤: 阿部先生は?
*阿部教頭: わたしは今年で3年になります。

先生の、3年のご経験の中で聞いた親御さんの悩みというのは?

*阿部教頭: やっぱり、特に中学部になると進路の問題ですね。学校によって、資格条件が違いますよね。ほんとにそういう情報がほしいというのはよくわかりますし、 わたしたちも教育委員会とか何度も連絡して、情報を集めますし、まずは、親御さんが調べてくださいということになるんですが、わたしたちはわたしたちなりに調べていく。 そういう進路の問題というのが、どうしても大きな問題としてありますね。 小学部のほうはそんなに聞きませんけれども。
須藤: 生活に慣れないとか、近所づきあいが難しいとか?
*阿部教頭: むしろ生活はしやすい国なんで。日本の食材はほとんどすべて簡単に手に入りますし 。

生徒さんの滞在期間は?

                           
*阿部教頭: マニラ日本人学校突然帰国が決まったという方もいれば、5年~7年という方もいれば、今度卒業するうちの2人は、9年間こちらにいると。ただ多くの方が、3年から5年のようですね。最近、短くなってきているかなという気はします。

日本人学校の生徒数について

須藤: 中学3年生になると減るというのは、これは受験の関係で?
*阿部教頭: 中学校になると減りますね。中学部に転入してくる子もいるんですが、帰国する子のほうが多いですね。どうしても減ってきます。最終的に、18名とか、16名とか。
*中川さん: わたしのころからそうですね。中3になるとがたっと減ります。お父さんだけこちらに残って、お母さんと本人だけ帰国するっていうパターンも当然あります。
須藤: なるほど。そこで受験の準備をするということですね。
*阿部教頭: (現地には日本人学校の)高校がありませんから。高校に行くとすれば、となりのIS(International School)に行くとか、現地の私立高校に入るっていう、 ただ、今、ISも韓国の人たちがたいへん増えていまして、なかなか入りにくくなったといいましょうか、はっきりしたことはわかりませんけど、アジアの人は、何%ととか、 一線があるようなないような聞いたことがありまして、それから、中学生くらいになりますと、英語力に差がつきますね。ここ(日本人学校)を出て、Grade9に入学するのは、 通常無理ですね。1学年落として入ります。
*中川さん: 英語でついていけないんですよね。完璧な英語で、しかも早いですから。
*阿部教頭: マニラ日本人学校当面、長くこちらに住むという方については、6年生くらいからISのほうに学校をお替りになったほうがいいですよ、ということもあります。 6年生終わってから、ISに行くという方も、今年も2~3名おりますね。それも人数の減る原因なんですね。将来にわたって、ADB(アジア開発銀行) の方なんかは、まずもって日本に帰ることなんかないと、そのお子さんについては、いわゆる6年生くらいからISに行っておかないと無理なんですよ。 学年を1つ下げないとついていけなくなる。そうなると、そこで一浪、日本とは入学の時期が違うので、二浪するような形になるんですよね。 そういうところの問題もあって、6年生からISに行くと。
須藤: 日本人学校を卒業して、ISだと年度途中で移られるんですね?
*阿部教頭: そうです。すぐに行く子もいますし、中1の途中から向こうがはじまるときからスタートする子もいますね。
須藤: そういう方たちは、長期に海外にいらっしゃる方がほとんどだと思うのですが、ISを卒業した後の進路はどうなさっているのですか?
*阿部教頭: その後は、あまり把握していないんですけれども、IBという資格をとれば、 全世界どこでも大学に行けるとか、たとえば、中3からシンガポール早稲田(早稲田渋谷シンガポール校)とか、 毎年、ここ数年1人ずつくらい入っていますけれど、そこから日本の大学に行くという方もいるようです。


海外取材コラムTOP|Part1|Part 2

新着情報

11/10/08

「海外子女支援室だより」更新!

 

11/09/29

「海外子女支援室だより」更新!

 

11/09/28

「海外子女支援室だより」更新!

 

 


帰国子女・海外子女へのワンポイントアドバイス

新規会員登録